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夏の標高1600メートル

7月の前半は コロラド州ボルダーでワークショップをうけてきました。 ボルダーはロルファーになるためのトレーニングをした場所です ロッキー山脈の麓 夏の標高1600メートルは朝夕涼しく 木陰はカラリと過ごしやすく  少し時間を見つけて 立ち止まり 音や匂いや見えるものに身体をゆだねるだけで 心身ともにリセットをしてくれる 場所です 朝すこし早起きして 外の景色をながめていると 鈴が転がるような音とともにハチ鳥(ハミングバード)が 軒先に吊るされた赤い瓶の前までやって来て ホバーリングしながら 狙いを定め 細いくちばしで 瓶の中の甘い蜜を吸って行きます 日中の日向はじりじりと暑く 目の黒いアジア人でも サングラスをしないと眩しいのですが 街をながれる小川の両脇には 木陰も沢山あるので川縁の芝生にペタッとすわって ほんの10分休憩するだけで 散らばっていた意識が戻って来て 昨日でも明日でもさっきでもこれからでもなく ふと気がつくとしっかりと自分が今にいること実感します 昼間に沢山の日のひかりを浴びた松の木があんなに香ばしく そして所々バニラのような甘い匂いをさせることを 今回はじめて知り コロラド特有の赤い岩も 夕方の少し肌寒くなったときには昼間のお日様の暖かさをまだまだ溜め込んでいて 岩に近づくと じんわり身体をしんから暖めてくれます

今回のワークショップは解剖のワークショップでした ボルダーから車で30分くらいの所にあるラボ(研究所)には 3度あるトレーニングのうち2回ほど訪れ インストラクターのトッドから半日のレクチャーを受けたところです 日本のトレーニングにはないプログラムだそうです トッドは元ロルファーで 今は解剖を専門にされています 細身の身体に鋭い洞察力と集中力 そしてなんだかアーティストのような好奇心で 緊張してやってくる学生たちのメンタル面までも細やかにケアしながら授業を進めてくれる 先生です 「パープルリング」というのは元クラスメイトたちが付けたトッドのあだ名でなぜかというと 大きな透明の紫の石のついた指輪をはめていて その大きさと色がとても印象的で この指輪が彼を少しアーティストのように思わせる所以です 今回紫の指輪をしていなかったので聞いてみたところ 紫は木曜日の指輪で 曜日によって色が決まっているとの事 どうやらたまたま私たちのクラスが訪ねていったのが二回とも木曜日だったようです 今回は実際に一緒に解剖をしてゆくので 私たちがラボに到着するころには 指輪を外していたということです 最終日の金曜日には 透明のこれまた大きな石のついた指輪が 上品に彼の小指の上にのっていました

ラボのシステムはユタ州からドナープログラムを通じて献体され 18ヶ月の間ラボで解剖 研究し 期間がくると ご家族の方にお返しする仕組みになっています 私たちのようなロルフインスティチュートの学生やコロラドのマッサージスクール 鍼灸師などがワークショップを受けにラボにやってきます

実際に自分たちで解剖となると 緊張や 果たして自分は大丈夫だろうかと様々な思いが巡りますが 終わってみて思う事はこんな貴重な体験をさせてもらった事にひたすら感謝しています 初日にトッドのいった印象的なことばは 「動きを解剖して行く」とい台詞でした 随分意訳していますが ただ メスを使ってここにこういう筋肉があるはずだから それを眺める為に開く というのではなく 動きのあるところには筋膜がありその筋膜にしたがって 開いてゆこうという方向性でした なので 本当に体中に張り巡らされている筋膜のつながりを 注意深く丁寧に観察する事ができ 身体の使い方 これまで経験した怪我やそれに関連してストレスを受けている場所等 筋膜の質 状態がどのように変化しているのかを学べた またとない時間でした

今回コーディネートをして下さった 名古屋のロルファーの宮尾さんそして鍼灸師のユウスケさんは お二人とも海外での経験が長く 参加者のスペースを大事にして下さり とても風通しの良いワークショップでした 感動的な通訳をしてくださったゆきさんは コロラド大学でダンスを専攻しその後ロルファーとなり しなやかで軽やかで芯の強い心と身体をもった魅力的方です 皆様大変お世話になりました 

最後になってしまいましたが ボルダーの美味しい日本料理屋さんのシェフ のぶさんは 秋の松茸の収穫にむけて 8月の降水量を気にかけていて お酒が入ると 星と宇宙の話になり  今回も大変おせわになりました いつおジャマしても身体に沁みるミルクティーをいれてくれて 一流の心遣いて 高地トレーニングにくる日本のランナーや 私のような大和人を 応援して下さいます いくら感謝してもつきないほどです

さて 日本に帰ってさっそく 秋からの授業やセッションに 還元して行きたいとおもいます

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